もの忘れ(認知症)とは・軽度認知障害やアルツハイマー型認知症など認知症の種類と主な症状|JR熊本駅・祇園橋近くの熊本市西区春日にある、心療内科・精神科の永知医院

もの忘れ・認知症(心療内科・精神科)

もの忘れとは

最近の出来事を覚えていられない、同じ事を何度も尋ねてしまう・・・
仕事や家事をするには大きな支障はないものの、以前よりも忘れっぽくミスが多くなってきた気がする。
このような変化は、年を取った事によって記憶力が衰えてきていることが原因かもしれません。
「もの忘れ」は、年を取るにつれて誰にでもみられるものですが、社会生活や家庭生活に支障をきたす場合には認知症の可能性が考えられます。 記憶の衰えの程度が気になったり、「元気がない」「怒りっぽい」「性格が変わった気がする」といった変化もある場合は、詳細な問診により認知症かどうかを判定しご説明致しますので、お気軽にお問い合わせください。

認知症とは

認知症とは、脳の障害が原因で、知的能力が日常生活に支障をきたすほど低下する疾患の総称です。
認知症では、「物覚えが悪い」「日時や場所が分からなくなる」「道に迷う」などの症状がみられます。
認知症の原因である脳の障害を回復させることは困難ですが、認知症にともなう「不眠」「イライラ」「攻撃性」「妄想」「幻覚」などの症状は、薬物療法により軽減させることが可能です。 最近になり健常者と認知症の人の中間の段階にあたる軽度認知機能障害という症状が注目されています。
軽度認知機能障害というのはアルツハイマー病など認知症の発症前の状態を意味する用語で、治療を行わず放置すると、認知機能の低下が続き、最終的には約半数の人が認知症を発症する言われています。
そのため、予防や治療を早期から行っていくことができれば、進行を遅らることができ、よりよい生活を長く送ることができるようになると期待されています。

認知症の種類と主な症状

軽度認知機能障害

健常者と認知症の人の中間の段階の症状と考えられています。
物忘れを自覚しており、客観的な記憶検査で記憶力の低下などの症状が見られますが、日常生活はではあまり問題になりません。
しかしながら治療を行わず放置していると、1年後には10%、最終的には約半数の人が認知症になると言われています。

軽度認知機能障害の症状
記憶障害
「少し前の出来事を忘れる」「同じ質問・話しを繰り返す」「置いた場所やしまった場所を忘れる」
「蛇口やスイッチやガス栓を締め忘れる」「今なにをしようとしていたのかわからなくなる」
などの症状がある。
見当識障害
時間や日付や曜日がわからなくなり、どれくらい前のことかがわからなくなる。
性格変化
猜疑心、依存傾向(子供っぽい仕草や口調)、怒りっぽいなど性格が変化する。
話しの理解困難
とんちんかんな応答をしたり、少し複雑な話が理解できなくなる。
つじつまを合わせようとして作話しになる。
意欲の低下
物事に興味や関心がなくなり長年の趣味をやめたり、外出しなくなったりする。

アルツハイマー型認知症

40歳以降に発症する認知症の中では患者数が一番多く、約50%を占める認知症です。
記憶障害、失語、失行、失認、遂行機能障害などが主な症状ですが、性格変化、幻覚、妄想、夜間せん妄、徘徊、食行動異常、排泄行動異常など症状が出始めることで、ご家族が対応に悩まれて相談されることが多いです。

アルツハイマー型認知症の症状
近時記憶障害
数分から数ヶ月前といった最近の記憶が障害されます。
昨日や今日といった当然覚えているはずと思われるような出来事を覚えていない、約束したことがらを覚えていないなどの症状が現れます。
陳述記憶障害
陳述記憶はエピソード記憶とも呼ばれ、本人が今までに体験した記憶が障害されていきます。
昨日誰に会ったか、昼食は何だったか、どのようにして病院まで行ったかなどが答えられなくなります。
失語
言葉の理解が悪くなり、ごまかしをしたり、まわりくどい言い回しをしたり、違う意味で言葉を使用したりします。
失行
手や足など運動を行う体の器官に異常がないのに、物品なしに物品を使うまねができなくなどの症状が現れます。 進行すると実際の物品を使用した複合的な使用も困難になり、服を脱いだり着たりすることも難しくなります。
失認
視空間失認と呼ばれる、視覚で対象物を認知することができないなどの症状が現れます。
慣れている道で迷ったりするようになり、進行すると近親者の顔を見ても誰なのかわからなくなります。
遂行機能障害
目標を設定し、計画を立案し、目標に向かって効果的に行動を行うことが困難になります。

レビー小体型認知症

現在、アルツハイマー型認知症に次いで患者数の多い認知症と言われており、約20%を占める認知症です。
認知症と名前がつけられていますが、レビー小体型認知症は、もの忘れが目立ちにくく認知症とは気が付かないことがあります。
症状としては、幻視、パーキンソン病様の症状、注意力の低下・興奮・暴言・寝言を言うなどが中心になります。
進行してくると歩行が徐々に困難になり、転倒してしまい寝たきりになりやすいこと、飲みこむ力が落ちて誤嚥しやすくなることが特徴です。
また、うつ病を合併しやすいと考えられています。

レビー小体型認知症の症状
幻視
「虫や蛇などが部屋にいる」「知らない人がいる」「遠くにいるはずの子供が帰ってきている」などと訴え、手で払う素振りをしたり、部屋にいることをこばんだり、いるという場所に向かって話しかけたりする症状が現れます。
パーキンソン病様の症状
手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、身体のバランスを取る事が難しくなるなどの症状が現れます。
手の震えなどの症状は何もしていない時の方が現れやすく、物を持つなど動作をしている間は震えが少なくなります。
また顔の表情も乏しくなり、笑っても怒っても口元が変わるくらいで、感情が読み取りにくくなります。
うつ症状
気分が落ち込む、食欲がなく食べない、感情が鈍くなっている、何に対しても興味を示さないなどのうつのような症状が現れます。
この他にも、眠れないかったり、寝ている時に暴れたり大声を出したりする、レム睡眠行動障害と呼ばれる症状が現れる事もあります。
自律神経症状
立ちくらみや便秘、発汗、寝汗、頻尿、だるさ、めまいなどの症状が現れます。

脳血管性認知症

脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血やくも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血したりすることで脳の細胞に酸素が送られなくなり神経細胞が死んでしまうことが原因で起こる認知症のことです。
脳血管性認知症は、障害を起こした脳の場所によって、もの忘れ、意欲の低下、関心がなくなるなど様々な症状が現れます。
判断力や理解力、人格などは比較的悪くならないため、アルツハイマー型認知症とは違い、よくなったり悪くなったりを繰り返しながら進行します。

血管性認知症の症状
うつ症状
うつ症状が最も現れやすい症状になります。
うつに伴って不安感、焦燥感、不眠で悩まれる方が多いようです。
せん妄
せん妄とは、意識障害が起こり頭が混乱した状態になっている症状のことです。
脳の機能が低下しているため、上手に神経伝達ができなくなっていることが原因とされています。
幻覚を見たり、言葉をかけても落ち着く事が出来ずに興奮状態となって大声を出したり、睡眠のリズムが障害されて昼夜が逆転したりします。
もの盗られ妄想
アルツハイマー型認知症よりも脳血管性認知症の方が症状が現れやすいと考えられています。
急に興奮しだすなど感情のコントロールも出来なくなるため、すぐに泣いたり怒ったりします。

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