性感染症内科とは
性感染症(STD)内科とは、セックスをはじめとする性行為などによって感染する病気の治療を行う診療科です。
一昔前までは「性病」とも呼ばれていましたが、法改正により「性感染症」に名称が変更されました。
性感染症は、自分だけがいくら予防に努めても相手が感染している場合は感染する可能性があります。
正しい知識を学び、パートナー2人で予防・治療を行いましょう。
性感染症内科へのお問い合わせが多い病気の主な特徴
- 性器クラミジア感染症
- 性器クラミジア感染症は、感染率が高く、性感染症としての感染報告がもっとも多い性感染症です。
感染してから1~4週間程度で発症し、男性は尿道にむずがゆさをおぼえたり透明な膿が出るようになり、また女性はおりものが増えたり腹痛を起こしやすくなるものの、感染に気づかないケースが多いようで、早期に発見が難しく感染を広める要因となっております。
治療をせずに放置しておくと、男性は前立腺炎や精巣上体炎などを引き起こし、女性は急性腹膜炎や子宮頸管炎などを引き起こし、不妊症の原因にもなります。 - 性器ヘルペス
- 性器ヘルペスは、病変部と接触することにより発症する性感染症です。
感染すると3日~1週間程度の潜伏期間を経て、男女とも性器に小さな水泡が多数でき、初めはかゆみや不快感を生じ、次第に痛みを伴います。
ヘルペスに一度感染してしまうと、その後はウイルスを死滅させることができません。
ただし、再発を抑える治療を行うことは可能となっています。 - 尖圭コンジローマ
- 尖圭コンジローマは、尖圭コンジロームともよばれ、ヒト・パピローマ・ウイルスに感染することで性器や肛門のまわりにイボができる感染症です。
感染してから症状が出るまで1ヶ月~1年程度かかり、自覚症状がない場合が多いのですが、男性の場合かゆみや痛み出血が認められる場合もあります。 - 梅毒
- 梅毒は、皮ふや粘膜の小さな傷から、トレポネーマという病原菌が侵入することで発症する性感染症です。
感染してから3週間~3ヶ月程度で発症し、第1期は性器に痛みをともなわない硬いしこりができ、第2期になると全身(特に手足)に小さな斑点が多数出現します。
男女とも症状が出ないタイプがあり、この場合は専用の血液検査をすること判明します。 - 淋病
- 淋病は、淋菌への感染により起こる感染症です。
感染してから2~7日程度で発症し、男性は排尿の際に痛みが走り濃い黄色の膿が出るようになりますが、女性はおりものが多くなるものの自覚症状がないことが多く感染に気がつきにくいため注意が必要です。
治療をせずに放置しておくと、菌が骨盤内の膜、卵巣、卵管に進み、内臓の炎症、不妊症、子宮外妊娠に発展する場合もあります。 - HIV感染症
- HIV感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気です。
感染してから2週間~4週間で発熱、咽頭炎、発疹、筋肉痛・関節痛などがみられます。
これらの症状は数日~10週間程度で軽くなり、その後は自覚症状のない健康保菌者(キャリアー)となり外観上は健康な状態と変わりません。
健康保菌者の状態が数年~10年程度続いた後に、免疫力のさらに低下してくると、急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢などの症状が続くエイズを発症し、数年で死に至ることもあります。
HIV感染症は、早期発見することができれば適切な治療に繋げることができ、エイズ発症を抑えることができます。
感染の可能性のある行為があって不安な場合は、HIV検査を受けることがとても大切なのです。